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多様性生物学講座Ib
加藤徹研究室

マダラテントウ族(Tribe Epilachnini)の分子系統

マダラテントウ族は植物を餌とするテントウの一群です。本族は主にEpilachna属とHenosepilachna属からなる種で構成されますが、いくつかの"マイナー"な属も含まれています。そこで、マダラテントウ族の系統進化を明らかにすることを目的に、アフリカ、アジア、中南米、およびオーストラリア(パプア)の各地域から採集されたマダラテントウ種について、ミトコンドリアおよび核領域のDNA塩基配列をそれぞれ決定し、分子系統学的解析を行ないました。その結果、得られた系統樹は、Epilachna属およびHenosepilachna属の両者が多系統となる樹形を示し、本族の分類学的再編の必要性が示唆されました。また、得られた分子系統樹をもとに、祖先系統の分布域を推定したところ、本族はアフリカに起源を持ち、その後、他の地域に分散した可能性が示唆されました。さらに、本族の種分化に伴う食草変換の頻度は、一部(アジア)のEpilachna属系統で非常に高かった一方、それ以外の系統ではあまり高くなく、ウリ科(Cucurbitaceae)から他科への食草変換が主なイベントだったことが示唆されました。

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