HOME > 研究グループ > 多様性生物学講座Ⅳ

研究グループ

多様性生物学講座Ⅳ

講座HP

多様性生物学講座Ⅳ

当研究室では、主に食肉哺乳類や鳥類を対象とした遺伝子分析により、日本列島の固有動物相の成立機構や生物地理的歴史を明らかにしたいと考えています。ブラキストン線のような日本周辺の生物地理境界線の意義に関する再検討も必要です。そのためには、進化の過程が刻まれているDNAの遺伝情報を解読し、種や集団の分子系統進化学および集団遺伝学に取り組んでいます。現存する種や集団に加えて、絶滅種や絶滅集団の標本を対象とした古代DNA分析を導入し、過去から現代までの多様性変遷を明らかにしたいと考えています。得られる成果は、未来の動物集団の姿を予測するための基礎データにもなるため、絶滅危惧種の保全生物学にも貢献できます。さらに、分子考古学的研究により古代文化交流を明らかにできることもあります

一方、野外から非侵襲的に得られる動物糞を用いた遺伝子解析技術を開発し、限られた地域に生息する動物の個体識別や行動・分布域を解明することも、生物地理学的研究に含まれます。また、人間活動のグローバル化にともなって増加している外来種の分布拡大や在来種への遺伝子攪乱等の問題も、生物地理学が取り組むべき課題であると考えています。

多様性生物学講座Ⅳ Webサイトへ

担当教員

教授

増田 隆一 / Masuda Ryuichi

専門分野
哺乳類・鳥類の分子系統進化学および集団遺伝学
研究内容
日本列島やユーラシア大陸に生息する哺乳類の分子系統進化学や集団遺伝学に取り組んでいます。たとえば、ヒグマがいつ、どのようなルートで北海道へ渡来、どの位の多様性をもっているかを探究し、さらに、DNA考古学的解析を導入して、クマ送り儀礼など古代文化や北海道の自然史を学際的に研究しています。

▲ページの先頭へ