藻類は、海藻類および顕微鏡的な微細な植物(微細藻類)からなる生物群の総称です。海藻類は肉眼的な海産藻類の総称で紅藻、褐藻、緑藻を含みます。微細藻類には渦鞭毛藻や珪藻など様々なグループが存在します。
私たちの研究グループでは「藻類」を研究対象として、形態観察、微細構造観察、培養による生活史の解明、交雑実験、成分分析、分子系統学的解析など様々な手法を用いて、「藻類」の多様性の正確な理解と進化の道筋の解明に貢献していくことを研究の目的としています。
担当教員
教授
小亀一弘 / Kogame Kazuhiro
- 藻類・系統・進化
- 海藻類,おもに褐藻類についての形態・生活史・分子系統学的解析・DNAハプロタイプ解析にもとにした系統・進化・種内構造・生物地理に関する研究を行っています。さらに、生態観察・交雑実験による生殖隔離状況の解明や無配生殖・生活史型の多様性と進化に関する研究にも取り組んでいます。
准教授
阿部剛史 / Abe Tsuyoshi
- 藻類・系統分類学
- 日本近海と、それに関連深い東南アジア、極東ロシアの海藻が研究対象です。中でも、世界で百数十種とされるソゾという海藻に着目しています。ソゾの大半は、種や地域個体群ごとに異なる、臭素などのハロゲンを含む独特の抗菌化合物を持っており、これに関わる興味深い事実は次々と見出されています。
講師
仲田崇志 / Takashi Nakada
- 藻類学・系統分類・ 進化学・形態学・命名法
- http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/index.html
- 微細藻類,主に緑藻類オオヒゲマワリ目を対象に,その系統分類を進めています。この分類群には様々な形態の藻類が含まれ,細胞レベルの進化を調べる興味深い材料となっています。しかし未だにしばしば新種が見つかるように分類学的研究が不十分なため,野外より新たな培養株を分離すると共に,形態観察・培養実験・分子系統解析を組み合わせた分類学的研究を進めています。
助教
ケビン ウェイクマン / Kevin Wakeman
- 生物多様性・進化学
- 私が最も関心をもってきたのは、無脊椎動物に寄生するアピコンプレクサ類です。主に研究しているアピコンプレクサのグループはグレガリナと呼ばれ、アピコンプレクサの中で最も原始的なグループか、あるいはその一つと考えられています。彼らは多毛類(ゴカイなど)、甲殻類(カニやエビなど)、ホヤ類などの無脊椎動物へ寄生します。海産アピコンプレクサの他の系統には、サンゴや二枚貝などに寄生するものもいます。このような海産アピコンプレクサの多様性およびアピコンプレクサ同士や宿主との関係性への知識を得ることによって、本グループに対する進化の見方を一変させたり高めていくことが私の目標です。